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★現在は閉店しましたが当時の MAYA SPLASH です。
カジュアルセレクトショップ MAYA SPLASH (マヤ スプラッシュ)
高円寺隠れ家通りのヘソに位置する店
 正式名称「あずま通り」
男物なのか女の人の店なのか解らないのがスプラッシュ 何故そんな店なの?

 ここではスプラッシュのヘッドショップの紹介をしましょう。
高円寺でもあまり知られていないあずま通り商店街、のどかで趣のある通りでこのあたりに住む人の中には 私の隠れ家的なお店があると言われるくらい面白い店が立ち並ぶ。 のんびり散歩の出来るところが好きで1998年にここにオ−プンする事にしました。 昔 メンズとジ−ンズのショップで働いていたときに女性のお客さんが多かったので、仕入れを任されていた私は女性物を入れてみたところ以外に好評だったのでその延長線で今のスプラッシュになりました。 アパレル系に入って30年...!多少洋服のことが解っているのでお客さんにも少し信頼してもらえるようになりました。 少々怖い系の私ですが優しいスタッフにも恵まれて楽しいお店です、一度覗いてみてはいかがでしょうか。
 何かに出会えるかも... その出会いがいろんな人に繋がることを願いながら進化し続けたいと思っています。

 

 別れが有れば出逢いも有る、そんな新しい出逢いに期待しながら毎日ひたすら(?)仕事に精を出す。

 さあ今日も汗だくでオ−プンです。
ウチのお店は外に色々細工してるから完全に出し切るまでに30分位掛かります。 だから夏のキツイ日差しの中だと相当の汗をかく、とは言ってもそんなに苦痛ではありません。 そうしてお店を飾る事によってインパクトの有るお店にする事の方が大事ですから。 遠くから見ても「あのアトムの店、何だろう。」と かなり目立つらしく、お客さんの間では「あのアトムの店ですね。」で通じるらしい。 そんなアトムのネオン管を取り付けたり、ディスプレ−が映えて見えるようにライティングもしたりと準備が色々なので時間が掛かるのも納得です。 ある時 近所のショップのオジサンにも「オープンするまで結構時間掛かるねェ〜。」 なんて声を掛けられたりもするがこれはこれでまた楽しい。 それに「今日の気分で」というようにその日の状況に合わせて見せられる、そんな狙いが当たったりするともうその日はご機嫌です。 そんな事を考えながらディスプレーしてるうちにお客さんです。 あれやこれや動いてるとお客さんも入り易いと言うのは確かなようです。 これも若い頃に耳にタコが出来るほど言われた事、ただ若い頃はなかなかこれが実行出来なくてしかられてばっかりでした。 必要性がしっかり把握できてない事が一番だったのでしょうが、何からどう動いたらいいのかすら分からない時代も有りました。 あッそうそう お客さんでした。
「もうオープンしてますか?」 バタバタやってるから遠慮がちに入店。 振り返って見ると月一ぐらいで来てくれるお得意さんで、電車を乗り継いで遠くから来てくれる。 仕事を兼ねて来てから高円寺が好きで、来る度に寄ってくれるらしいんだけど毎回大量買いしてくれる有り難いお客さんです。 背が高く綺麗な人だから何を着ても似合っちゃう、ズングリムックリな私には何とも羨ましい限りでチョット悔しい。 妬ましい。 そんな人だと「何でも好きな物着て!」って感じ、コーディネートし甲斐が無いけど...。 なんてチクリと言いたくもなる。 イヤイヤ、いけない! お仕事お仕事。 キレイメ系中心にお薦めで〜す。 彼女も今までに色んなものを着てきたみたいで特に商品説明はいらなそう、スラスラ ザーッと見て一通り見た後に「チョット気になったのが有ったんだなぁ〜。」なんていいながら「じゃぁチョット着てみていいですか?」 さァ ご試着です。 と こんな感じでトントンと進んで行く、大体ほとんどの物がカッコ良く着れてしまう。 何度も言うけど悔しい〜! 結局ほとんど説明は無しで、それよりも私の余計な話ばかりで世間話がメインになってる。 そんな話の中、彼女は勝手に試着してる。 でも この世間話が大事(?)。 また昔の話するけど、お客さんとのコミュニケーションを取る方法で「新聞を読みなさい。 色んな物から情報を得なさい。」って ホントによく言われた。 未だに物知りではないし、情報にも乏しい、この文面を見ても分かるようにボキャブラリーにも欠けてるけど何とか話を繋ぐ。 不思議とこの女性とは話が弾む、何故なんでしょう? おそらく話のテンポ、リズムが合うのでしょう。 こういうリズムの合う人との会話は楽しいなんて思ってるのは自分だけで、お客さんの方が大人で合わせてくれてた、なんて事だと哀れですけどね。 まあ ここはお互いにと言う事で大目に見て貰うとして、そろそろお客さんのお帰りに今回のお買い物が気に入って貰えてる事を信じながら(不安も有るけど)外まで送る。
そしてまたパソコンに向う。 暇があれば画像の処理に追われる、毎日のように新商品が入荷してくるからプチ更新の日々です。 そんな光景をガラス越しに外から見る人はあんな所でいったい何をやってるんだろうかと珍しいものを見るような目で見てる。 時にはジッと動かないから置物かと思うらしく、視線を感じて振り向くとビックリする人もいる。 「ウワッ 動いた!」 っていう具合に思わず笑い出しちゃう人も...。 (失礼しちゃうなァ) こんな場所に居る自分も自分だけど...。 真剣にパソコンに向って仕事してる所へ自転車で近付いて来て手を振るお客さんがいる。 メガネ(この私、目がすこぶるいいものでもう老眼鏡が必要)を外して見るとお得意さんが大きなお腹をかばいながら何か言いたげ、降りて行って声を掛けると「いや〜お久し振りです。」とイイ笑顔でやって来た。 自転車はなるべく避けた方がいいんだろうけど「大丈夫だよ!」なんて軽く乗りこなしている。 そうなんです彼女は妊婦さんなんですよ。 なかなか外に出れないから、たまに出掛けると途中寄り道でのぞいてくれる。 そして どうにも我慢が出来なく、今の自分に着れるような服を探しては買ってくれる。 「丈夫な子で生まれるんだよ!」とか お腹に声を掛けたりしながら生まれた後も着れるような物をお薦め。 でも 流石にデニムのパンツは今じゃ無理、気に入った物が見つかったんだけど泣く泣く諦め、「生んだら絶対買ってやる!」 なんて 凄んでみせる。 後に生まれて、念願のデニムを購入。 「ほらねェ〜 痩せたでしょう。」 満足そうな顔で、今や当時のパンパンお腹が嘘のようです。 「旦那に叱られるかなあ...。」 なんて言いながらも、今までのウップンを晴らすかのように可愛いボアのジャケットやチュニックなど、とても主婦になったなんて思えないような可愛いのが似合う若いお母さんのお買い物でウチのお店にはピッタリなのです。 何故ならば ウチのお店って流行り物を追い駆けているようでそんなに派手でもないし、シンプルなようで多少デザインが変わっていたり、普通なようで何かチョット一味違う物が有ったりする。 あんまり若過ぎず、だからと言って地味過ぎず丁度中間の層の人達が楽しめるお店なのです。 だから 年齢層も中間の層の人が多い、25歳から30歳を中心に幅は広い。 ただし 男性物は若干上になるかも? 何せ私が引き上げていますから。
だけど 流行り物過ぎず、当たり前過ぎずって商品が意外に無いんです。 メーカーにもそんな話をするのですが営業さんも困っている、作り手は分かり易く、売り易い商品でないとなかなか仕入れて貰えないのでしょう。 よくお客さんにも「このお店って何系なんですか?」とか言われるけど、その「何系?」って言うのも何かの形にハメ込んで考える方が分かり易い。 ジャンルの垣根を無くして考えるよりもマニュアル的に考える方が分かり易いのでしょう。 うちみたいになんでも有りで、パッと見に理解し難い所が不思議なのかも? そんなお店だから商品もなかなか難しい、メーカーもウチのカラーがつかめないでいる。 組み合わせ次第でどのようにも使える、そんな商品って逆にどう組み合わせるのか分かり難いのか? 重ね着が面倒で難しい。 そんな言葉もそのせいかな? そんな事考えてるうちにお客さんです。 勢い良く自転車でキキ〜ッ! と店に横付け、サッサと入って来た。 元々高円寺近辺が地元のお得意さんの女の子。 高校生の頃からのお得意さん、今や25歳で立派な大人。 そんな彼女は自分の着方が確立されていて自分でバンバン片っ端からチェック、今までに買って貰った商品とも照らし合わせてコーディネートの幅を広げる。 そんな手助けが出来ればそれで OK! もう付き合いも8年ぐらいになるんです。 ふと考えると随分と永く付き合ってる、感謝感謝! 今思うとその時々で服のジャンルも変わってきたけど、その時の気分で選べる商品を揃えてきた成果かな? 誰でも有ると思うけどいつもと違う格好がしたい、昨日はロック系だったから今日はちょっとお姉系。 たまにはスポーツ系? そんな気持ちに応えられるようにしたい! そんな思いが今の形になってしまった。 何でも有り の形がいいのか悪いのかは未だに分かりません。 だから彼女みたいなお客さんが来てくれるとやってる事の自信の裏付けになるような気がして・・・。 自信が付いたり失ったり、正直その繰り返しの毎日です。 
さあ またまたお客さんです。 ン? なんか酒臭い! オイオイ! 酔っ払って、冷やかしかァ〜。 年配のカップルでどう見てもウチの商品が合いそうなお客さんじゃないけど...。 楊枝くわえ腕組みして「ウ〜ン!」何かに感心するかのように偉そうに...。 なんて不謹慎にも感じながら、しばらく様子を見てたら何かに興味が有る様子。 お客さんが声を掛け易い様にちょっとアクションを起こしてみた。 細かい事を言うとこのアクションも大事、お客さんは何にも反応しない店員さんだとその気がなくなり帰ってしまうのは当たり前。 相手の人が聞き易いようにタイミングを見計らってスーッと近付き、「何か気になりました?」的に(にこやかに)目を合わせる。 私が言うと気持ち悪いかも...。 直接言葉にしてもいいのですが言葉にするとチョットニュアンスが違う、「何か御用ですか?」風になってしまいそうなそんな時は目で会話する必要も有ると思います。 特にこの場合、経験豊富そうな年配の男性ですからね。 それでも反応が無い。 そんな時が一番困る、なんせ思い切って声を掛けるにしてもなんて掛けたらいいのか? スカジャンを見てるから「そのスカジャンの刺繍の出来がいいと思うんですがどうですかね?」なんて尋ねてみた。 すると驚いた。 なんと「私はスカジャンが好きで3枚も持ってるんだよ。」だって。 しかも「自分の持ってるスカジャンも出来はいい方だと思うけど、これもイイねえ。」なんて誉めてくれた。 勢いに乗って「ほとんどはウラが死んじゃいますが、これはウラがまた違った顔をしててウラも完全に生きてます。」などと言うべき事は言ってみた。 でも気に入って貰っても肝心のサイズが無い。 残念ながらウチのお店は細目を好む人が多くて、大きいサイズを揃えてないのです。 一瞬不安がよぎったけど「オイ! ちょっとこれ着てみなよ。」なんて連れの女性を呼んだ。 エッ? 自分で着るんじゃないんだ? 女の人も「エッ? 私が着るの?」と半信半疑のまま袖を通す。 「エ〜ッ! どォ〜?」なんて不安な顔で多分旦那さんであろうその男性に聞いている。 「イイじゃない。 よし! これちょうだい!」やたら簡単にお買い上げ。 「いらないよ〜!」なんて遠慮する女性を抑えて半強引に「いいから着なよ。」とポンと3万円をカウンターに置き、「いくら?」って早く会計を済ませて女性を観念させようと急いでます。 それに合わせるように「31,290円です!」 そんな時のリズムも男性に合わせて動かないとギクシャクしてしまうもので相手のリズムに出来るだけ合わせるようにします。 「じゃあまたね!」とそそくさと出て行ってしまった。 何ともジャッジが早く、セッカチとも取れそうなぐらい早かった。 他にもお得意さんがいたけど周りもビックリ! 入って来られた時はひやかしかぁ...なんて失礼いたしました。 って感じで何が有るか分からない、見た目で判断してました。 お許しくださいと反省しながらも他のお客さんに付く。
他のお客さんも「今の人達は何か買ってったの?」なんて気になるらしい。 「歳いってそうだったから買う物有るのかなぁ...なんて思っちゃった。」だって。 あまりにも正直過ぎます。 でも正直私もそう思いました。 ごめんなさい!
ところで今いるお得意さんも もうかれこれ3年ぐらい通ってくれてる人でかなりウチを気に入ってくれてる。 彼女はウチの店に住み込みたいなんて言ってます。 「毎日ここに住めたらいいよね、そしたらいつでも好きな服着て出掛けられるもん。」とかね。 だから「ダンボール有るから泊まれるよ! 僕は帰るけど。」って言うんだ。 「店ゴト買いたい!」とかもよく言われる。 店ゴト買われると僕が困るから「そんな時は僕も付けて買ってね!」って言っちゃう。 彼女はしばらく考えて「じゃあ 店長にしてあげる。」ですって、「まッ それならそれでもいいか。」なんて言いながら楽しくいろいろコーディネートしてみる。 勝手にね。 そこから何点かをピックアップして、「これを取り置きにして、他の物は今日買ってきます。」とか自分で仕切ってます。 こんな人も結構いるんだよね。 こんな人が重なると狭いスペースに取り置きがキツ〜イと悲鳴を上げます。 特にダウンジャケットとかだともう大変、袋に入れてダンボールに入れての保管になる。 こんな事も嬉しい悲鳴の一つです。 取り置きの中にはとんでもない人もいます。 勿論お得意さんじゃないけど...。 一年以上前になるけど若い女の子で「給料日までお金が無いから取り置き出来ますか?」って自分から言って来た。 通常なら知らない人は1週間位の範囲での取り置きは受けてるけど、この子は1ヶ月以上経ってやっと取りに来た。 それがタイミング悪く夏物の処分の為のセール時期になってからだったから大変。 私がいない時に来て、私の携帯にバイトの子から「取って置いた商品をバーゲン価格にしてくれって言われてます。」なんてとんでもないお知らせが...。 どういう事? なんでそうなるの? そんな事言う人いるんだァ...と呆れてしまい、「その商品売らなくていいから」とか言って携帯を切った覚えが有る。 勿論そのお客さんと替って貰い、一ヶ月以上取り置きしてた商品だからと説明はしたけど...。 とにかく呆れたの一言しか出なかった。 可愛い商品だったから取り置きしてなければ直ぐにでも売れてたのに...。 思い出すと今でも不思議でしょうがない。 その彼女 あるチェーン店のバイトに決まって、その寮に越して来たばっかりとか言ってたけどその寮からも直ぐに消えて行った。 今じゃ何処で何をしてるやら。 こんな出逢いはあまりしたくない。 そんな事は忘れて、また次にいいお客さんと出逢えるように切り替えて!
恐る恐るソロ〜ッと若いカップルが入って来た。 ン? 古着屋さんなのかな? どうなんだろうかと半信半疑のよう、二人でヒソヒソとはなしながら見てる。 この恋人同士の二人の世界ってのがまた厄介なんです。 「その中に入り込むのがムズイ!」ってよくウチの店の若いバイトちゃんが言っていた。 今はいませんが...。 経験の有る人なら色んな会話に入るのって簡単なんだけど、若い子はなかなか入れないらしい。 なんだろ? 同い年くらいだと対抗意識とか洋服のジャンルの違いとかで構えてしまう。 当時で言うとダンサー系な子が、チョットパンク系の子を相手にすると「ン・・・なんかチョット怖い。」とか、ストリート系(古着系)の子がギャル系の子が入って来ると「何を話していいのか分からない。」などと考え込んだりしてた。 考えてくれるならまだいい方で、全く考えもしない子もいたなあ...。 まッそれはそれとして。 チョット図々しいとか、なれなれしいとか思われるくらいの覚悟で、二人の会話を小耳に挟んだらそこに思い切ってスッと入る。 それが出来るように色んな情報をつかんでおくことも必要で、こんな場合はそんなに難しい話をしてるとも思えないからタイミングだけが問題だと思う。 思い切って入っては見たものの、二人のムードが受け付けないようだったら引けば良いじゃん。 お客さんの方も店に入ったはいいものの、店員さんにどう見られるのか、相手にしてくれるのか、とか考える人もいます。 今回入って来た二人はまさにこのパターンで、遠めに見てたら格闘技系のグローブが気になってたみたいだから何気なく近付き、耳を澄ますと彼女が「手入れてみたら?」なんて、すると彼が「エッ!」とかモゾモゾしてるから私がスッと「そう! 入れてみたら?」と話に入ってみた。 すると彼は「あッ いいです。」なんて断られた。 「喧嘩上等みたいだよね、だけど何気に売れてんだよ。」などと言いながらさり気なく引いた。 他の物を物色し始めた二人、今度は彼女が自分用の手袋を見始めた。 彼女は積極的で自分で勝手にやっぱり指ぬきの物を色々試していた。 「綺麗目にいい物か、カジュアルにいい物か難しいなあ。」なんて悩んでる。 「安いから両方買ってもいいんじゃない。」 私が軽く言うと「それもありかなあ...。 今私も考えてた。」って、女性の方が思い切りがいいっていうか、決断が早い事が多い。 そんな事でちょっと落ち着いたのか、彼がまたそのグローブを、今度は「着けてみていいですか?」と気持ちが解けて行くのが分かった。 「ちょっと大きいのかな? どォ?」なんて彼女に聞きながら鏡でチェック。 「あんまりピッタリだと本当に格闘技してるみたいに見えるかも?」私もちょっとアドバイス。 そんな会話をしてる内に二人ともお買い上げが決まり、可愛いカップルは満足してくれたみたい。 二人の間に入って行くのではなく、二人と並んで会話する気持ちが必要なのかも? それは勿論失敗する事も有るのは仕方が無い、でも 失敗を怖がっていては先は無い。 肝に銘じながら今日の成功を味わう。 この二人は最後に「また来てくださいね。」の声に、「○○ちゃんこのお店好きだもんね! また来ます!」なんて彼女が照れ屋さんの彼の代弁をしてくれてた。 こんな嬉しい出逢いが有るからこそ、この仕事は辞められない。 さあ 懲りずにいきますよ! なれなれしいオヤジですみません。
                         つづく

 

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